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全国安全週間をご存知でしょうか?(交通安全週間ではありません。)実は、労働災害防止のため毎年実施されており、今年でなんと89回目になります。これまでの地道な取り組みが功を奏し、昨年平成27年には初めて年間の死亡者数が1,000人を下回ったとのことです(具体的には972人)。それでも尚これだけの人が亡くなっておられ、それ以外にも障害が残るような大きな怪我・病気をされた方もいらっしゃることを考えると、大変痛ましい思いになります。

今年の全国安全週間は7月1日から7月7日までの7日間です。また、全国安全週間の実効性を高めるために、6月1日から6月30日までの1ヶ月間が準備期間とされています。

全国安全週間および準備期間にすること

安全(衛生)活動に力を入れている会社では、全国安全週間の期間中に各都道府県で実施される安全衛生大会に参加したり、職場パトロールを実施したり、あるいは安全に関する動画や資料を職場で見たりすることで、安全への意識を高めています。また、準備期間中には職場パトロールの重点項目を選定したり、あるいは安全教育の為の資料やポスターの準備等をしたりしています。

安全活動を始めてみませんか?

「サービス業だし労働災害なんて無縁だ。」「そんな難しいことは出来ない。」「何をすればいいのかわからない。」そのようにお考えの経営者様は多いのではないでしょうか?でも実は安全活動は難しいことではありません。手間もお金もあまり掛けずに安全活動を始めることが出来ます。従業員が怪我をしたり病気になったりすることは会社にとって大きな損失になりますので、この機会に安全活動を始めてみましょう。何よりここまでお読みになられた経営者様であればご感心を抱かれたに違いありません。

全業種共通の重点項目

全国安全週間では重点的に対策を取る項目が毎年決められています。今年の重点項目は以下の5つになります。

  1. 転倒災害防止
  2. 交通労働災害防止
  3. 非正規雇用労働者等に対する労働災害防止対策(正社員以外への安全教育の推進等)
  4. 熱中症予防
  5. 腰痛予防

具体的にはどうすれば?

それでは、手軽・簡単に安全活動を始めるにはどうすればよいのでしょうか?先ほど上げた5つの重点項目について安全活動の例を上げてみます。

1転倒災害防止

  • 通路に物が置いてあって通行の妨げになっていませんか?

通路に物を置かないようにしましょう。コストは掛かりません。

  • 廊下や階段の照明が切れて暗くなっていませんか?

照明を変えましょう。電球や蛍光灯のコストしか掛かりません。

  • ドアを開けたら人がいてぶつかりそうになったことはありませんか?

ドアに「向こう側に人がいます。ゆっくり開けましょう」と注意書きを貼るだけでも効果ありです。

2交通労働災害防止

  • 交通事故が多い交差点がありませんか?

情報を共有することから始めましょう。

  • 風邪を引いている人はいませんか?

普段より集中力や判断力が落ちているはずです。また、眠気の出る風邪薬を飲んでいるかもしれません。出来ればこのような人は運転させないようにしましょう。

  • 社有車の定期点検や日常点検は出来ていますか?

車に異常があれば事故が起こってもおかしくありません。定期点検がきちんと出来ているか確認しましょう。また、日常点検も出来れば始めましょう。

3非正規雇用労働者等に対する労働災害防止対策(正社員以外への安全教育の推進等)

  • パートタイマー・派遣社員にも情報が共有されていますか?

社内で事故や怪我が発生した場合、社内全員で情報共有しましょう。事故や怪我の情報を共有することで各自の安全意識が高まります。また、同じ事故や怪我が再度発生しない為のアイディアをパートタイマーや派遣社員にも出してもらいましょう。

4熱中症予防

  • 日中の屋外作業をしていませんか?

朝・夕に作業時間を変更できる作業は変更しましょう。

  • 連続作業になっていませんか?

水分や塩分の補給ができるように、こまめに休憩をいれてみましょう

  • 健康診断の結果に目を通していますか?

例えば糖尿病を患っていると熱中症になりやすいとされています。健康診断の結果に目を通し、熱中症になりやすいと考えられる従業員をリストアップして特に気を配りましょう。

5腰痛予防対策

  • 重い荷物を一人で運んでいませんか?

重い荷物でも二人で運べば腰への負担は大幅に減ります

  • 無理な姿勢で物を持ち上げていませんか?

いつも床に置いているものを腰ぐらいの高さの台に置くようにするだけで、持ち上げる際の腰への負担が大幅に変わります

おわりに

ご覧になられて如何でしたでしょうか?どれもほとんど手間やコストが掛かりませんし、このぐらいのことなら出来ると思われたのではないでしょうか?安全活動は難しく考える必要はありません。小さな工夫を継続して積み重ねることで、大きな効果が生まれます。今回これをご覧になられた経営者様には、これを機会に安全活動への取り組みを始めて頂ければ幸いです。